19 Nov 2019

国内情報保護/ガバナンス製品市場予測を発表

Japan, 2019年11月19日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、情報保護対策製品である暗号化/鍵管理製品とDLP(Data Loss Prevention)製品と、そして情報管理に対するガバナンス強化製品であるeディスカバリーアプリケーションソフトウェア製品の国内市場の2019年~2023年の予測を発表しました。

IDCでは、DLPやエンドポイント暗号化、セキュアメッセージング(暗号化)、鍵管理、エンタープライズライツマネージメント(ERM)システム、セキュアなドキュメント共有やコラボレーションなどの情報保護対策機能を情報保護管理市場として定義しています。今回の調査では、情報保護管理市場に属する暗号化と鍵管理、DLPについて予測分析を行っています。またコンテンツワークフロー/管理アプリケーションソフトウェア市場に属し、電子情報開示参考モデル(EDRM:Electronic Discovery Reference Model)の全範囲を網羅するeディスカバリーアプリケーションソフトウェアについても予測分析を行いました。この結果、国内暗号化/鍵管理市場の2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.3%で、市場規模(売上額ベース)は2018年の136億円から、2023年には160億円に拡大すると予測します。また、国内DLP市場は、2018年~2023年の市場規模(売上額ベース)は2018年の56億6,600万円から、2023年では56億7,200万円とほぼ横ばいで推移するとみています。暗号化/鍵管理市場は、大規模な情報漏洩事件によってデータ侵害への危機意識が高まり、データ侵害に対するガバナンス強化への対策需要として市場が拡大してきました。またDLP市場は、内部不正に対するガバナンス強化やコンプライアンス対応としてオンプレミス製品が中心となって導入が進んできましたが、データ分類やポリシー策定など導入/運用負荷が高いことが需要拡大の阻害要因となりオンプレミス製品市場は伸び悩んでいます。今後は、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進展することで、クラウド上での構造化データおよび非構造化データの活用が拡大し、構造化データと非構造化データの両者のデータに対する暗号化と鍵管理、情報漏洩対策が必要となります。そして機密性の高いワークロードをクラウドに移行する際には、企業は自身で鍵管理を運用することが求められます。このような企業では、クラウドネイティブな暗号化と鍵管理、そしてクラウド型DLPソリューションへの需要が拡大するとIDCではみています。

また、国内eディスカバリーアプリケーションソフトウェア市場は、2018年~2023年のCAGRは4.2%で、市場規模(売上額ベース)は2018年の58億9,900万円から、2023年には72億5,400万円に拡大すると予測します。eディスカバリーアプリケーションソフトウェア製品は、コンプライアンス対応やガバナンス強化を進める企業での内部不正調査やプライバシー法対応、また民事や刑事訴訟での調査ツールとして裁判所や監査事務所、規制当局などで活用されていますが、利用している企業や組織は限定的です。しかし、DXの進展によって構造化データおよび非構造化データのデータ量が急速に増大し、さらにデータ利活用が拡大することによる内部不正のリスクが増大すると見込まれ、企業や組織はプライバシーデータや機密データを含む重要データの厳格な管理や内部不正への管理体制などガバナンス強化が求められることから、同市場へのニーズが高まるとIDCは考えます。

国内情報セキュリティ市場では、エンドポイントセキュリティやネットワークセキュリティといった外部脅威対策への投資が優先され、データ保護やデータ管理に対するガバナンス強化対策への投資優先度は低い傾向にあります。しかし、EU一般データ保護規則(GDPR)や米国のカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)など海外でのデータプライバシー法は、データ主権に基づいた法規制になりつつあり、プライバシーデータ保護に対して厳格化されてきています。国内においては、2020年に個人情報保護法の見直しが検討されており、その中には報告義務を課すことや削除権を認めることなどが含まれています。また、米国政府調達における管理すべき重要情報(CUI)の保護に対する政府以外の企業や組織に適用されるセキュリティ対策基準「NIST SP800-171」は、サプライチェーンに対する適用も求められているため、米国政府調達関連企業と取引のある日本企業でも基準に沿った対応が求められます。さらにDXによってデータ活用が拡大し新たなビジネスが創出されますが、データの信頼性が維持できなければ事業継続に支障を来し、大きなビジネスリスクとなります。「ITサプライヤーは、ユーザー企業に対して企業がDXを進め事業を拡大させるためにはデータへの信頼性を高めることが重要であり、データに対するガバナンス強化の必要性を認識してもらう必要がある。また、ユーザー企業においても、データへの信頼を高めるために、データ管理に対するガバナンス強化を図っていくべきである。これによって情報保護管理/ガバナンス製品の導入が進む」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーである登坂 恒夫 は述べています。

今回の発表はIDCが発行した国内情報保護管理/ガバナンス市場予測、 2019 年~ 2023 年 にその詳細が報告されています。本レポートでは、情報保護管理/ガバナンス市場に含まれる暗号化/鍵管理とDLP(Data Loss Prevention)、eディスカバリーアプリケーションソフトウェアの市場について、2019年~2023年の国内の市場規模(売上額ベース)の市場予測を提供しています。



<参考資料>

国内情報保護管理/ガバナンス市場 製品セグメント別 売上額予測、2016年~2023年

Source: IDC Japan, 11/2019

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